今回は「痛み」について書いてみたいと思いますが、かなり大きなテーマですので、そのなかでも「急性痛」と「慢性痛」について書いてみようと思います。
ある統計によりますと鍼灸治療院に来院される患者の約80%は何らかの「痛み」を訴えているとされ、そのなかでも約70%が「慢性的な痛み」に悩んでいることがわかっています。
急性痛と慢性痛の説明は置いといて、このようなことからも我々鍼灸師は痛みの専門家として、痛みに関する正しい知識を身に付け患者の痛みをトータルケアする必要があるのです(^o^)/
さて「痛み」の定義とはどのようなものでしょう。
調べてみると…
「組織の実質ないし潜在的な傷害と関連した、あるいはこのような傷害と関連して述べられる不快な感覚的・情動的体験である。」
ここで興味深いのは感覚的な要素だけではなく、情動的要素も「痛み」と定義されていることですよね(^^♪
感覚的体験とは、肘を擦りむいた→痛い…みたいなことで、組織が損傷することによる痛みで、その傷害の大きさと比例して起こるものです。
情動的要素とは上記のような組織損傷の大きさとは別に情動的要素で悪化する痛みのことをいいます。
これを読んでくださっている方の中でも、怒ったりイライラしていると急に痛みが出たり、普段何でもない痛みが強く感じられた経験はないでしょうか(*_*;
それらのメカニズムは今回置いとくとして、このように痛みといっても、感覚的なもの、情動的なものがあるということを覚えておくといいでしょう♪
で、、、ようやく「急性痛」と「慢性痛」のお話しです。
文字から簡単に考えれば、急性痛は症状が出現してから短時間のもの、慢性痛はある程度時間が経過したものととらえることができます。
これらも様々な観点からきちんと分類されています。
詳細は省きますが、ポイントのひとつとしては、急性痛は警告信号としての痛みと表現され、慢性痛は痛み自身が疾患で警告信号としての意味は少ないといわれています。
例えば急性腰痛では、痛みのある部位が腰部ですので、痛み(警告信号)のある場所に痛みの原因があるので、この場合では腰を治療すれば効果がでますが、一方慢性痛ではその痛みは警告信号としての意味は少ないとされているので、痛みのある部位が原因とは限らないことが多いのです。
ですので、痛みの部位を治療しても改善されることは少なく、これらにより慢性痛を患っている患者を苦しめている原因にもなっていると考えられています。
慢性痛の治療に必要なことは痛みを止める(鎮痛)ことは必要になってきます。
鍼灸は「痛み系」の治療には強いといわれますが、これらのことを問診の段階で鑑別して治療方針をたてていきます。
なんか、痛みがずーっと取れないなぁというかたは一度鍼灸治療を試してみませんか(*^。^*)