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牛乳について②

今回は何故牛乳が「完全栄養食品」でないのかについて、少しずつ紐解いていくことにしましょう。

様々な見解がありますが、まず最初に挙げられることは、牛乳は元々牛の赤ちゃんの飲み物であり、人間にとっては異種タンパクであるということです。

牛の赤ちゃんにとっては確かに完全栄養食品ですが、人間の赤ちゃんが飲んだ場合、違う動物のタンパク質が人間の身体に入ってしまうのです。

母親の母乳をその赤ちゃんの静脈に注射しても問題はないのですが、牛乳を注射するとすぐに死んでしまいます。

逆に人間の母親の母乳を子牛に注射しても同じように死んでしまうそうです。

普通人間が口にした牛乳や牛肉などの異種タンパクは、小腸でアミノ酸に分解されて吸収され、人間の身体に適したタンパク質合成されていきます。ところが、赤ちゃんの場合には腸の消化機能が弱いため、タンパク質が完全に分解されず、アミノ酸のひとつ手前のペプタイドの段階で吸収されてしまいます。

赤ちゃんは腸管壁のメッシュがまだ粗く、分子の大きなペプタイドも吸収してしまうのです。

母乳の場合でもペプタイドの形で吸収されることはありますが、同種タンパクなので心配はないのです。

しかし、牛乳のような異種タンパクが血液の中に入ると、拒否反応が起こり、さまざまなダメージが起こるといわれています。

 

乳幼児の牛乳被害を訴えている堺薫氏(新潟大学名誉教授・小児科)は「異種タンパクが血中に入り込むと、抗原抗体反応(アレルギー反応)が起きて、血中、組織の細胞を破壊してヒスタミン、ロイコトリエンなど色々なアレルギー症状や炎症を起こす科学伝達物質が放出されて、それが周辺の組織や細胞に影響をおよぼして炎症を起こすということなのです。」(自然食ニュース1997.11)と話しています。

牛乳の異種タンパクは、慢性的なアレルギー疾患(皮膚症状、消化器症状、呼吸器症状など)を引き起こしてしまうようなのです。

 

また、人間が牛乳を飲み続けることが自然に反しているのは、異種タンパクの問題ばかりではないようです。

哺乳類は「離乳機構」というものをもっていて、子供の方から乳離れをするのが自然な姿なのです。

これは子供の身体に生まれながら備わっている「反ミルク体制」と呼ばれるもので、離乳期になると働きます。

ミルクに特有の糖である「乳糖(ラクトース)」を分解する酵素のラクターゼの活性低下によるものです。

ラクターゼの働きは新生児期にピークを迎え、離乳期には大人と同じレベルにまで落ち込んでほとんどなくなってしまいます。

ラクターゼの活性が失われると、ミルクを飲んだ子供たちは乳糖が消化されないために、腸内発酵を起こしてお腹の具合が悪くなります。

それで哺乳類の赤ちゃんは独りでにおっぱいから離れて自分で餌を探すようになっていくのです。

この乳糖を分解できない生理症状を「乳糖不耐症」といい、人間として当たり前症状で、牛乳を飲めること自体が不自然であるという学者もいます。温帯に住む農耕民族の日本人の場合、95%が乳糖不耐症といわれています。

 

次回へ続く…(^^♪

 

参考文献:「牛乳神話完全崩壊」 外山利通著 メモタル出版