前回までは「東洋医学」「中国伝統医学」のお話しをしてきましたので、今回は「積聚治療」について書いてみましょう。(できるだけ簡単に♪)
当院では「日本古典的鍼灸治療」として「積聚治療(しゃくじゅちりょう)」を取り入れています。
この「積聚」って聞きなれない言葉ですよね。
簡単に言えば、お腹に現れる「痛み」「硬さ」「拍動」などの症状のことを言います。
「なんか、あの人、シャクに触るわね~!」の積ですww
東洋医学ではお腹の状態は全身の状態ををあらわすという考え方があります。
お腹の治療だけで全身の変えるという治療法もあるくらいです。
積聚治療もお腹の状態を確認し、前回中医学のところでお話しした「証」を決めてから、それに従いお腹や背中、手足のツボに刺激の少ない接触程度の鍼や(刺すこともありますが)、お灸をしていくことで、お腹の「積聚」を変化させていきます。
そしてこのお腹の状態を変化させていくことで全身の症状も改善されていくという治療方法になります♪
この治療法の良い所は、身体を部分ではなく全身で診たり、症状そのものを診るのではなく患者全体(人)を診ていくなど、あくまでも病気ではなく人を治療対象にしていることだといえます。
そして、身体におきた症状はどんな疾患であっても、その人が持っている「生命力」が低下しているからという観点で治療が行われます。
ですので、その治療方針はいたってシンプルです。
その方が持っている「生命力」を補ってあげることに尽きます。
実際に治療をしているとよくあることですが、例えば腰痛なら、局所的にその時は痛みをとってもまたすぐに再発してしまうなんてことはよくある話です。
また、同じ環境にいながらも、腰痛になる人とそうでない人がいます。
その原因を積聚治療では「生命力」の低下と考えますので、積聚治療をしていくことで、腰痛になりにくい身体にしていきます。
また、腰痛の治療を継続していくことで、他にあった症状がなくなっていくこともよくあります。
それも積聚治療でいう「生命力」が補われた結果なのです(^o^)/
この治療をやっていると、現代医学では説明できない結果がよくおこります。
それこそ創始者の小林詔司先生が言われている、人の身体を東洋的な発想で診るということの結果なのだと考えております。
基本的には症状のある部分には鍼や灸をしていきません。
治療途中、身体に現れる「指標」を確認していきながら、常に身体に変化に対応して適切な対応をしていくことになりますので、マニュアル通りの治療にはなりません。
これも「人」を治療対象にしたこの治療法の特徴になります。
当院でも症状の深浅を判断したうえで、積聚治療を薦めることがあります。
痛みも少なく、どのような症状にも対応できる治療方法ですので、気になる方は是非一度治療を受けてみることをお薦めします。
今回はこれまで。
参考文献
「積聚治療」小林詔司著
「続・積聚治療」小林詔司著