一般的な鍼灸治療で使用されている鍼になります。鍼の太さは0.10㎜~0.40㎜まで様々です。当院では和鍼(日本製の鍼)と中国鍼を使用しています。また、材質もステンレス製、金鍼、銀鍼と揃えており、症状により使い分けております。
鍉鍼は刺さない鍼になります。鍼先の尖ったほうでツボの触れたり、押したりすることで身体の「気」とよばれるエネルギーの調整を目的に使用します。圓鍼も刺さない鍼になります。鍼先の丸いほうで筋肉と筋肉の間をこすったり、ツボに押圧することで痛み、凝り、冷え、知覚鈍麻等の症状を改善することを目的に使用します。
ざん鍼も刺さない鍼になります。ざん鍼で皮膚表面をこすることで体表の熱気を取る目的に使用します。アトピー性皮膚炎を始めとした皮膚疾患や小児に対しての治療にも使用します。
打鍼は主にお腹に鍼を小槌で叩きながら使用します。日本独自の鍼術で、鍼は刺す鍼と刺さない鍼を症状によって使い分けます。
「刺絡鍼法(しらくしんぽう)」と言われる治療時に使用します。皮膚に1㎜程度刺し、少量の血を放出させることで血流の滞りを改善し、症状を改善することを目的に使用します。刺絡鍼法は鍼灸師に認められた治療法であり、「瀉血」のように大量の血を放出することはありません。
圓利鍼は刺す鍼になります。毫鍼等でもなかなか改善しない頑固で硬い凝りを改善させる目的で使用します。少々刺激は強めですが、即効性が高い鍼になります。
小鍼刃は針先の形状が、小さなマイナスドライバーのようになっています。使用目的としては「圓利鍼」と同様です。こちらも少々刺激は強めですが、非常に即効性の高い鍼になります。
大鍼は刺す鍼になります。太さは0.6㎜から1.2㎜と太めの鍼です。当院では主に金の大鍼を使用します。金の材質は気(エネルギー)が少なくなってしまっている場所(ツボ)に、気を集める特性がある為、気の偏りを調整することで症状を改善させることができます。
巨鍼・長鍼も刺す鍼です。当院では太さは0.6㎜~0.8㎜の鍼を使用します。凝りや硬結が広い範囲に現れているものに対して、皮膚の下に水平に刺していきます。例えば背中から腰全体が張って辛いなどの症状に効果を発揮します。
火鍼も刺す鍼です。文字通り火で焼いて刺す鍼になります。一瞬の施術ですので、見た目ほど刺激は強くはありません。「透熱灸」と呼ばれるお灸と似た効果があります。主に冷えからくる症状を改善させたり、魚の目、タコの除去の目的でも使用します。
挫刺鍼も刺す鍼です。日本で考案された鍼になります。鍼を刺入し、皮下の結合組織にひっかけます。強い凝りや痛みに効果が高い治療法になります。スポーツ選手などで痛みをすぐに改善させたい時にもよく使用します。
透熱灸は皮膚の上で「艾(もぐさ)」を燃やし切るお灸です。艾の大きさはお米の半分程の大きさになります。少しチクッっとした熱感を一瞬感じる程度で、気持ちよいとおっしゃる患者様もいるほどです。身体の免疫力を向上させる効果があります。
知熱灸は小指の頭程の大きさの艾を皮膚の上に置き、熱感を感じたら取り除くお灸になります。程よい熱刺激により生体反応を惹起させる目的で行います。燃やし切るお灸ではありませんので、心地よい熱感が気持ちよく感じます。
使用目的、効果は知熱灸と同じものになります。
灸頭鍼は鍼の上にお灸を付けたものです。鍼の効果にお灸の温熱刺激を加えていく治療になります。冷えからくる筋肉の凝りや痛みなどに効果があります。温かくとても気持ち良いです。
竹の輪灸は、切った竹の中に艾を詰めて点火をし、転がしたり、ポンポン叩いたりして温熱刺激を加えていくお灸になります。刺絡鍼法と組み合わせたりして使用することが多いです。
箱灸は、箱の中にある艾に点火し、お腹や腰など広い範囲に温熱刺激を加えていくお灸になります。
棒灸は艾を紙で包んだ棒状のものを、皮膚に近づけることで温熱刺激を加えていくお灸になります。ツボを部分的に温めたり、棒灸を移動させながら広い範囲を温めることもできます。